2023年06月08日
仕事は人生の10分の1
カフェを開業して5年、仕事に追われる毎日だ。営業日は仕事をしているか、短い睡眠をとっているかという感じになる。サラリーマン時代には休日には仕事をしない主義だったが、自営業ではそれもままならない。まったく仕事をしない日は、長期休暇中を除いて皆無である。生活は、完全に仕事中心である。
雑誌や書籍の編集者として働いていたサラリーマン時代にも、土日休みの週休二日制だったので、生活の7分の5は仕事に取られていたという実感だ。とくに日本人はそうなのかもしれないが、「人生を楽しむ」というよりは「仕事を完璧にこなす」ことに時間と労力を割いている気がする。
しかし、モノは考えよう。一般的な勤め人の人生を考えると、働くことの割合は直感的に思うほどにはないのかもしれない。
大雑把な計算をしてみよう。20歳から60歳まで働くとして40年。いまは定年延長でもう少し働くのかもしれないが、それでも人生100年といわれる時代だ。年数でいうと働くのは人生のうちのせいぜい2分の1だろう。
もちろん、その間、めいっぱい働いているわけではない。一日24時間のうち8時間を労働に費やすとして3分の1だ。先の2分の1と3分の1で6分の1ということになる。
しかも、この間も一年中働いているわけではない。週に5日働くとして一年52週で260日。有給休暇が20日あるとして240日。これは一年365日のほぼ3分の2である。上の6分の1とこの3分の2で、この時点で9分の1である。
人生は長い。働いているあいだには病気やケガで休むこともあるだろう。転職のためにブランクとなっている期間もあるかもしれない。もちろん、慶弔休暇もあるし、会社によっては長期間勤めるとまとまった休みがもらえるところもある。それらを勘案すると、最初にいったように大雑把な計算だが「仕事は人生の10分の1」にすぎない、といえるのではないだろうか。
それでどうだというわけではないのだが、目の前の仕事に追われて疲れ果てているとき、いくらかの気休めにはなるかもしれない。