2018年05月06日

カフェをやってわかったこと(その2)

前回、カフェの仕事が体力的・時間的に大変なこと、来店客数がまったく読めないことがわかったと書いたが、この地での開業ならではの「わかった」もある。それは地元の人たちがカフェに何を求めているかということだ。 

商品棚
「カフェ明治屋」の風景―その3 商品棚ではコーヒー豆と器具を販売しています。


わたしのこれまでの経験でいうと、カフェは基本的にお茶をするところだ。コーヒーにしろ紅茶にしろ、あるいはさまざまなバリエーションにしろ、飲み物をとるところだという感覚だった。もちろん、モーニングサービスを利用したりランチをとったりということもある。しかし、ベースにあるのはコーヒーをはじめとするドリンクだと思っていた。
 

  

ところが、岡山・瀬戸内市でカフェを始めてみると、お客さんが考える基本は「食べ物」だということがわかった。前にも書いたが、モーニングサービスの時間が終わってランチタイムまで間があるとき、「いまの時間は飲み物のみになります」と言うと、「えっ、食べるもの何もないの?」と驚かれる。まるで冬山で遭難したかのような口調だ。スイーツがすべて売り切れた日の午後、「ケーキは売り切れてしまいました」と言うと、「何かアテはない?」と訊かれる。アテって、酒を出しているわけじゃないんだし。 

  

飲食店なのに「食べるもの」がないのは信じられないという感覚だろう。コーヒーや紅茶だけをいただく、という習慣がないのかもしれない。そこで、前に記したようにモーニングサービスの時間を延長するとともに午後にもモーニングを出すことにした。メニューを見せながら「軽食がよろしければ、午後もモーニングサービスをおこなっております」と案内する。 

  

すると、これがなかなか好評である。さらに、不思議なことが起こった。午後のお客さんのなかには、モーニングサービス、たとえばハムチーズトーストとスイーツのチーズケーキで迷っていらっしゃる方がいる。また、午後に「私はトーストモーニングとチョコレートケーキ」と注文なさる方がいる。トースト類とスイーツが同列、さらには「おやつ」にトーストで「おやつのデザート」にスイーツという感覚である。 

  

うーむ。これには慣れないが、郷に入っては郷に従え。常時、食べるものを用意するようにしよう。「カフェ明治屋」が「ごはんカフェ明治屋」と認識され、さらには「喰い処 明治屋」になったとしても、それがこの地で生き残る道ならやむをえまい。 



y1_tokita at 09:32|PermalinkComments(1)カフェ