2018年10月24日

「万引き家族」と「海街diary」

ほんとうに久しぶりに映画館で映画を観た。最後に観た映画は東京にいたころの「この世界の片隅に」だから、およそ2年ぶりである。今回観たのは、遅ればせながら「万引き家族」。カンヌ映画祭で最高賞であるパルムドールを獲得した作品だ。この映画に出演している樹木希林さんが亡くなり、ふと思い立って上映している映画館がないか探してみた。 

「万引き家族」
「万引き家族」の出演者たち。みんな素晴らしい演技だった。


すると、岡山駅近くの「岡山メルパ」という映画館で上映しているという。さっそく定休日に二人で行ってみた。「岡山メルパ」は岡山で最も古いのではないかと言われている映画館で、実際、造りや雰囲気が「昔ながらの映画館」という感じだ。全席指定が当たり前の今、すべての席が自由席だった。わたしたちは「夫婦
50割引」(夫婦のどちらかが50歳以上であれば一緒に見る際に合わせて2,200円になる)を利用しようとしたが、チケット係の人が親切に「提携駐車場の券があれば、お一人1,000円になります」と教えてくれた。これを使って、二人合わせて2,000円で入場できた。 

  

平日の昼下がりという時間帯のせいか、入場者は10人にも満たないほどで、良い席でゆっくり観ることができた。中心市街地、しかも交通の中心となる駅のすぐ近くで駐車場にもすんなり入れ、映画館でもゆったりできるのは地方ならではだ。これが東京だと・・・そもそもターミナル駅近くの映画館にクルマで行こうという気が起こらない。 

  

さて、肝心の映画のほうは、樹木希林さんをはじめ、出演者の演技が素晴らしく、十分楽しめた。是枝裕和監督の映画は、前に「海街diary」を観たことがあるが、「万引き家族」と共通するのは「家族って何だろう」「血のつながりって何だろう」という問題意識だと思う。ほんとうの親子きょうだいでも、ときに疎遠になったり仲違いをしたりすることがある。逆に血のつながりがなかったり薄かったりしても、お互いを思いやり、助け合って生きている「家族」がある(わたしは今、ふと「阿佐ヶ谷姉妹」のことを想起した)。これからの時代、お役所が「標準世帯」とする「夫婦(夫が働いて妻は専業主婦)と子供二人」以外のさまざまな家族形態が増えるだろうし(現に標準世帯は今や5パーセント未満だ)、それでいいのだろう。そのなかには、血のつながりのない者同士の家族があってもいい。そんなことを考えさせられた。 

  

ところで、わたしの父は生前、姉とわたしが生まれたあとももっと子供が欲しかったらしく、養子を取ろうかなどと言っていたらしい。その父は高校生の姉と小学生のわたしを残して40代で逝ってしまった。残された母のもとに姉とわたしだけでなく23人のもらいっ子がいたら・・・わたしの人生を含めて家族はどうなっていたか想像もつかない。家族とは難しいものである。 


y1_tokita at 07:40│Comments(1)瀬戸内暮らし 

この記事へのコメント

1. Posted by ラフィンのお父さん   2018年10月25日 11:29
5  テレビで亡くなった樹木希林さんと内田裕也氏の不思議な結婚生活を見て、変な夫婦を通り過ぎ変な生き物、人間の愛情感にない、スケールの違いを感じさせられた思いです。
近々妻と映画監観賞に行きます❗😆

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