2017年04月09日

わたくし的東京のカフェ今昔(その1)

カフェの話のついでに、わたしのカフェ体験を記しておきたい。といっても、カフェ(や喫茶店)の情報を収集したり、あちこちに行ってみたりしてるわけではない。ごく普通に東京(およびその近郊)で生活してきた一個人の感想である。 

 

わたしが上京した1979年(昭和54年)ごろは、喫茶店の全盛期だった。調べてみると、喫茶店の事業所数は、1975年(昭和50年)の92,137個所から1981年(昭和56年)には154,630個所とうなぎ上りに増加しピークを迎える(資料総務省統計局「事業所統計調査報告書」全日本コーヒー協会のホームページより 


喫茶店

カフェでは何かをするというよりも、店内や窓の外をボーっと眺めているのが好きだ。

大学に入学したわたしが住んだのは、埼玉県志木市の学生寮だったが、志木駅近くに、その名も「四季」という小さな喫茶店があった。志木で四季。あまりにベタな命名だが、そのお陰でいまでも名前を覚えている。わたしは、よく、その店のモーニング・サービスを利用した。たしか300円しないぐらいでコーヒーとトースト、それにゆで卵がついていたように記憶している。  

 

そこのコーヒーが、「お鍋コーヒー」だったこともはっきり覚えている。一度に多めのコーヒーを淹れておき、注文があったら一杯ずつ「お鍋」で沸かして供するのである。まだ世間知らずのわたしも、さすがに「ちょっとなぁ」と思ったものだ。まあ、ママさんが笑顔で出せば許されるというか、おおらかな時代だったのだろう。 

 

当時はいまと違って、個人経営の個性的な店が多かった。そのぶん、コーヒーの味は千差万別だった看板の下にKEY COFFEEと書いてある店はうまいんだ」と友だちに教えられた(?)のはそのころだ。全盛期は過ぎていたが、ジャズ喫茶などの音楽喫茶も流行っていた。わたしも新宿のDUGに行ったことがあるが、通うというほどではなかった。 

 

名前は忘れたが、大学の近くにあった喫茶店も思い出深い。日当たりのいいしゃれた店で、大学の講義(ときには試験!)をさぼっては、専攻とは関係のない本を広げて読むともなく暇を潰していた。いま思えば何の悩みがあったのかも覚えていないが、とにかく現状に満足がいかず、もがいていた記憶がある。苦いコーヒーである。調べてみると、その店はもう跡形もない。東京の町の移り変わりは激しいのである。 

 

そういえば、最近、大学のキャンパスの近くにあまりカフェ・喫茶店を見ないような気がする。学生がまじめになり(忙しくなり?)寄り道をしなくなったのか、構内にカフェスペースができて必要がなくなったのか知らないが、少し寂しい気がする 

 

カフェ、食堂、雀荘などなどからなる「門前町」を含めて大学という別世界があったころが懐かしい 



y1_tokita at 15:35│Comments(0)TrackBack(0)カフェ 

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