2017年06月

2017年06月27日

温泉好きのカラス(その1 )

温泉が好きだ。どれくらい好きかというと、週末、妻に「どこか行きたいところある?」と訊くと、必ずといっていいほど「わたしは特にないけど、あなたは温泉に行きたいんでしょ」と返されるほどだ。そういうわけで、休みには二人でよく温泉に出かける。 

  

温泉宿への泊りがけの旅行は、時間的にも経済的にもそうしょっちゅうはできないので、利用するのはおもに日帰り温泉である。東京にいたころには、年に30回以上は利用したように思う。ちょっとしたドライブも好きだから、あまり近いところではなく、クルマで12時間かかる程度がいい。 

  

関東圏の同好の士のために、(ご承知だろうが)東京周辺のいい日帰り温泉を紹介しよう。まずは有名どころだが箱根湯本の「ひがな湯治 天山」。ここは内湯がなく、すべてが露天風呂だ。木が生い茂る斜面に段々の岩風呂がつくってあり、まるで大自然の中の秘湯に浸っているような気になれる。お湯から上がったら、脱衣所脇の畳で大の字に。あー、幸せ! ここがわたしのベストの湯だ。 

箱根天山
「天山」の露天風呂。岩と緑の癒しの空間だ。

つぎは埼玉・東松山インター近くの「なめがわ温泉 花和楽の湯」ここは岩盤浴もできて、しっかり汗をかいたあとで浸かる温泉は格別だ。広い露天風呂は落ち着けるつくりで、浅瀬で寝湯状態になるのもいい。ウッドデッキには寝椅子も用意してあり、ここでうたた寝するのもたまらない。   

  

もうひとつ。奥多摩駅近くの「奥多摩温泉 もえぎの湯」。渓流沿いにあり、露天風呂からは川の流れと両岸の鬱蒼とした森が眺められる。というより、ここに至る道を除けばこの温泉の周りには森林と渓流しかない。岩風呂に浸かったあとは、ベンチに寝転がって目をつむる。奥多摩の空気と音を感じる。何ともいえない。 

  

あらためて書いていて気づいたが、わたしが温泉に求めているのは効能でもなければ「加水・加温・循環・消毒」なしの「本物」でもない。そもそも効能が発揮されるほど長湯はしない。カラスの行水なのだ。露天(岩風呂)にちょっと浸かり、横になってうとうとする、それが自然の中なら言うことはない。それだけのことなのだ。 

  

以前に読んだ温泉の本にあったが、温泉の最大の効用はリラックスすることだという。そういう意味ではカフェにも「効用」がある。わたしの場合、「もえぎの湯」の帰りには必ず、以前紹介した「アイムホーム」に寄る。お気に入りのカフェで心底リラックスするためである。 



y1_tokita at 16:14|PermalinkComments(1)TrackBack(0)移住 

2017年06月22日

めざすは「古色」仕上げ

店舗部分の天井、梁や柱に柿渋を塗ったが、いまひとつ理想とする色にならない。茶色の色味は増したものの、シミや手垢が消えず、重々しさが足りない。思い描いているのは、重厚で美しく、建物の長い歴史を感じさせる落ち着いた色合いである。またまたネットで調べてみると、建築の世界には「古色」仕上げというものがあるのがわかった。伝統工芸品を新しく製作する際に、わざと古びた様子に仕上げることだそうだ。 

  

寺社などの伝統的建築物を修復する際など、新しく補った部材に「古色」をつけて、周囲の古材との色彩的な統一に配慮するらしい。また、新築の際にも、古びて落ち着いた雰囲気を出したい場合に「古色」の塗装をすることがあるそうだ。 

松煙塗り
梁の部分に「古色」を塗っていく。


これだ。「カフェ
 明治屋」の内装は、「古色」の天井・梁・柱と白い漆喰壁というコントラストで決まりとなった。漆喰はあとで塗るとして、まずは木部に「古色」を施さねば。「古色」仕上げにもいろいろあるらしいが、ネットで見る限り多くの人が試している「柿渋+松煙+ベンガラ」で試してみることにした。 

塗装セット
上から時計回りに無臭柿渋、松煙、ベンガラ、塗料容器とハケ。


ちなみに松煙とは松の木の煤(スス)で、膠(にかわ)で固めると書道で使う墨になるもの。真っ黒な粉末だ。ベンガラは土からとれる酸化鉄で赤茶色の粉。インドのベンガル地方から伝来したことからそう呼ばれているらしい。
 

  

調合の割合もいろいろあるようだが、細かく試すのはめんどうだ。経験者のブログ記事などを参考に松煙30グラム、ベンガラ20グラムを水250cc、柿渋150ccで溶いて塗ってみた。 

塗装前
塗装前。シミや手垢が目立つ。

塗装後

「古色」塗装後。いい感じの仕上がりだ。 

  

なかなかいい。黒だが、漆黒ではなくやや赤く深みのある艶消しの黒だ。木目はうっすらと見える程度で、問題のシミや手垢も気にならない。これでいくことにして二人で塗り始める。しかし、天井にハケで塗っていくのは体につらい作業だ。しかも、これが30畳分以上もある。前途遼遠だ。

塗装途中
  天井と梁に塗りかけのところ。とくに天井は骨が折れる。



y1_tokita at 17:27|PermalinkComments(1)TrackBack(0)移住 | カフェ

2017年06月16日

「平安時代の塗料」を塗る

いよいよ店舗部分の改装にとりかかることにした。床、壁、天井・梁・柱などすべてをカフェにふさわしいものにしなければならない。電気工事など素人の手に負えない部分は工務店の助けを借りるが、内装はおもにわたしたち二人で仕上げるつもりである。 

  

内装のリノベーションを自分でやった人のブログを見ると、順序としては電気工事を専門業者にやってもらう前に(あるいはそれと並行して)天井部分など上から作業をしていくのがいいらしい。 

  

「カフェ 明治屋」の天井、梁や柱は、初回に書いた通り明治42年(1909年)に建てられたままの造りである。そのままでも年代を感じさせる風格のあるものだが、シミや手垢も目立つ。木材の保護もかねて、より重厚な雰囲気を出す方法はないかとネットで探していたら、柿渋を塗るといいという記事を見つけた。 

柿渋塗り
脚立に乗り、柿渋を塗っては・・・

柿渋拭き取り

拭き取っていく。 


柿渋は防水・防腐剤として平安時代から使われていたといわれる塗料だ。わたしは「渋うちわ」しか知らなかったが、樋や樽、家の柱を長持ちさせるため、また漆の代用(下地など)として使用されていた一般庶民の塗料とのことだ(ターナー色彩のページによる)。  

   

この柿渋は、渋柿の汁液を発酵・熟成させた柿タンニンを多量に含む日本固有の材料(Wikipedia)で、有機溶剤などを使わない水溶性の天然塗料だ。シックハウスの原因であるホルムアルデヒドを吸着する効果もあるらしい(伊勢型紙のページ)。 

    

いいではないか。さっそく柿渋をネットで取り寄せ、試しに店舗部分の一室に塗ることにした。ところが塗るまでが大変で、天井に塗るには、それなりの脚立がいる。そこで、近くのホームセンターで高さ2メートルの脚立を購入。店の「お持ち帰り用軽トラック」を借りて、夫婦で「荷台に脚立を縛りつけた軽トラの人」となった。これだけ見れば、もうすっかり「地元人」である。軽トラの運転は初めてだったが、すべてが実質本位の万能車で、なるほど、「田舎のベンツ」といわれるわけだと納得した。 

柿渋塗り02
塗った直後にはシミも目立たなくなるのだが・・・。


それはともかく、脚立にのぼって柿渋塗りを開始。ハケで塗ってはウエス(古タオル)で拭き取るという作業を繰り返す。ところが、柿渋を塗った直後には木部の色が深く沈んで「いい感じ」になるが、乾燥するとやや赤みを帯びる程度で、問題のシミや手垢が消えない。もっと美しく重厚な感じに仕上げる方法はないものか。試行錯誤はつづく。
 



y1_tokita at 19:31|PermalinkComments(3)TrackBack(0)移住 | カフェ

2017年06月11日

瀬戸内・魚の王国

こちらに来て感じたことのひとつが、東京に比べ、やはり物価が安いということである。公共料金やガソリンの値段などは変わらないが、たとえば、洗車料金は安いところでは200円だ。トマト、きゅうり、レタスや玉ねぎなどの野菜を中心に生鮮食料品も全般に安いようだ。 

  

スーパーマーケットでもそうだし、あちこちにある農協の農産物直売所では、採れたての野菜や果物などをかなりお安く販売している。ただ、難点(?)は「量が多い」こと。クレソンが大袋いっぱいに入って200円だったので飛びついたら、それから23日は、毎日、山盛りのクレソンサラダを食べる羽目になった。 

  

そして、瀬戸内といえばやはり魚介類である。スーパーマーケットでも、地物の「がらえび」や「びんぐし」など、東京ではあまり見ないものを普通に売っている。東京では見ないといえば、漁港直結の魚市がある。わたしたちが住む瀬戸内市のお隣・備前市の伊里漁協では、毎週日曜日に「真魚市(まないち)」という市が立つ。先日、わたしたちもさっそく行ってみた。開始時間が朝7時とはじまりの早い市で、わたしたちが着いた8時過ぎにはすでに多くの人でにぎわっていた。 

真魚市01
漁港の隣りの倉庫のようなところが市場会場になる。


活気のある市場は、見て回るだけで楽しい。とくに漁港直結のこの市場では、バックヤードで漁船から魚を荷揚げしていたり、敷き詰めた氷の上に次から次に魚を放ったり、漁師さんたちの働きぶりが間近に見られて興味が尽きなかった。
 

真魚市04
停泊した漁船からつぎつぎに魚が出荷される。


ただ、ここでも問題は「ひと盛りの量の多さ」で、まだカフェを開店していないわたしたちが、二人で食べきれる量のものを探すのに苦労した。結局、型の良いイカ
4杯を1,000円で購入したが、23日は「イカ尽くし」になりそうだ。 

真魚市02
結構な型のブリが1本1,000円。

真魚市03

アジやサバもこれだけ入って1,000円。安いが二人では食べきれない。 

真魚市05
地物の小松菜100円。ねぎ50円・・・野菜も安い。 

  

【側溝清掃・顛末記】   

前のブログで「どうなることやら」と書いた町内会の側溝清掃が、なんとか終わった。用意する物は「ふつうの長靴とショベルか何かでいいよ」と言われていたが、側溝清掃専用の道具をホームセンターで購入して、その日を迎えた。集合時刻の朝8時前、集会所に行ってみると、すでに近くの側溝から「ガッシ、ガッシ」と作業をする音がする。挨拶も早々に、わたしも清掃作業に加わった。側溝(田んぼと道路の間の用水路)にまたがって中の泥やごみを掻き出していく。 

側溝清掃
側溝清掃は慣れないと腰にくる作業だ。


小一時間で予定の区画の清掃が終了。日陰ではまだひんやりとする季節なのに汗だくになる。屈む作業なので腰も限界だった。全員で集会所に集まり、一息入れて解散となったが、この席で、町内会長から「新規加入者」として紹介された。そう、これが大事。一緒に作業をした「仲間」として、まずは認められた(?)ということか。ありがたい。近いうちに、田んぼには水が張られ田植えとなるだろう。散歩のたびに稲が青々と育っていく姿を眺められるのなら、汗をかいた甲斐もあるというものだ。
 



2017年06月06日

岡山の小さな「へぇー」

岡山・瀬戸内市に移住してきて、小さく驚いたことがいくつかある。まず、テレビだ。東京には日テレ、TBS、テレ朝、フジ、テレ東と民放地上波のキー局が5つあるが、地方では、民放はせいぜい23局だろうと、移住前には思っていた。そうすると、あまり人気のない番組は地方では放映されないか、テレ東あたりはまるまる切られているか・・・。 

  

わたしたちは、二人とも本ばかり読んでいる印象をもたれているが、じつはテレビ好きでもある。家にいるときは、たいてい「ながら族」となってテレビをつけている。ドラマやバラエティはあまり観ないが、「世界!ニッポン行きたい人応援団」「和風総本家」「出没!アド街ック天国」などの番組はほぼ欠かさず観ている。お気づきだろうか、それらはみなテレ東の番組である。テレ東が観られなくなったらさびしい(ちなみに、テレ東系BSジャパンの「ワタシが日本に住む理由」もファンだが、これはBSだからアンテナさえつければどこでも観られる)。 

  

ところが、移住してみると岡山にも地方局が5つあり、地方版のニュースなどを除くと、東京にいたときとまったく同じ番組を観られることがわかった。わたしが子供のころ、熊本には地方局がたしか2局しかなかったので、それが「刷り込み」となって間違った先入観を生んだのだろう。それにしても、テレビ事情が良好でよかった。 

  

もう一つ、ちょっと面食らったのはクルマの運転である。運転が荒いのではない。ただ、「ウィンカーをつけない」のだ。「なに? それ」と思われるかもしれないが、岡山を運転してみるとわかる。曲がるのにウィンカー点滅なし、あるいはウィンカーが遅いというクルマの多いこと。気のせいかと思っていたら、ちゃんとした調査結果もあり、「ウィンカーによる右左折の合図を出さない車が多い都道府県のトップは岡山県」だそうだ。 

  

県警や行政もこれを問題視したようで、交差点では「★合図」という、ほかでは見ない路面表示が描いてあることがある。 

路面表示
「カフェ 明治屋」の最寄りの信号機手前にも「ウィンカーマーク」が。


そのほか、岡山県の自動車販売会社が
You Tubeで「ウィンカーなし」の危険性に皮肉交じりに警鐘を鳴らす動画を流し話題になっている。 


プチプチで包まれていればウィンカーを出さなくても大丈夫?


岡山県人はおっとりしているといわれるが、「曲がりよるのは見りぁーわかるからウィンカーはええんじゃ」(いいかげんな岡山弁)というわけだろうか。いまひとつ、理由はわからない。
 



y1_tokita at 19:08|PermalinkComments(2)TrackBack(0)移住