2019年09月
2019年09月30日
三宅裕司さんのルーツ
唐突だが、俳優・コメディアンの三宅裕司さんをご存じだろうか。劇団スーパー・エキセントリック・シアターを率いる演劇人であり、健康番組などの司会をこなすテレビタレントでもある。この三宅裕司さんのルーツは岡山にある。しかも、「カフェ明治屋」のお隣に!
そのことを知るきっかけとなったのは、しばらく前、NHKのディレクターが「カフェ明治屋」に来て、三宅裕司さんのお父さんが住んでいた家の古い写真を見せながら位置関係を訊いてきたことである。その写真には、「カフェ明治屋」の真ん前にある正通寺の正門がはっきり写っていた。おそらく、「カフェ明治屋」の建物のひとつ川寄り、改修工事後の今は干田川が流れているあたりに三宅裕司さんのご先祖の家があったと思われる。
三宅裕司さんのお父さんは若いうちに東京に出てカメラマンになった。だから、三宅裕司さん自身は東京の生まれである。しかし、そのルーツはここ長船町にあったのだ。しかも、わが「カフェ明治屋」のお隣に。
そういえばこの辺りには三宅姓が多い。町内会にも何軒も三宅さんがいる。もしかしたら、この辺の「三宅さん」たちはどこかで三宅裕司さんと繋がっているのかもしれない。
ところで、そのNHKのディレクターは何のためにそんなことを調べていたかというと、「ファミリーヒストリー」という番組のためである。三宅裕司さんのルーツを掘り起こした番組は、9月23日の午後7時半から放送された。
番組では、かつて三宅家があった裏山(甲山)に三宅家の先祖の古墳(塚?)らしきものを発見した。さらに、これまで謎だったお父さんが岡山から上京した理由も明らかになる。その後、カメラマンになったお父さんが、三宅裕司さんの成長を記録したフィルムも紹介。無口だったお父さんが映像に込めた思いに、三宅さんは思わず涙をこぼした。
番組では、三宅家がかつてあった場所として、やはり「カフェ明治屋」の隣の川寄り、いまは干田川が流れているところを示していた。その映像に、「カフェ明治屋」も一瞬写っていた。番組放送後には、熊本のわたしの親戚から「カフェ明治屋が写っていた」と連絡があった。NHKの全国放送の影響力はすごい。
それにしてもNHKは番組の準備に時間をかける。「カフェ明治屋」の辺りには数か月の間に何度もやってきて調べていた。そういう調査があってこそ、「ファミリーヒストリー」という番組はこれまでにもご本人が知らない先祖のことを多々明らかにしている。こういうことに関しては、さすがNHKだなーと感心する。
2019年09月24日
生パスタのイタリアン
ときどき無性にスパゲティが食べたくなる。それもペペロンチーノといったオイルパスタや塩味系である。それは20代のころからで、一時期、外出先の昼食にはボンゴレビアンコばかりを注文していた時期があった。
スパゲティの麺は乾麺のアルデンテもいいが、生麵のもっちりした感じもいい。東京にいたころ食べた生パスタで印象に残っているのは「東京SPAGHETTI製麺所 仙川パスタ」である。日帰り温泉「仙川 湯けむりの里」で湯に浸かったあと、「仙川パスタ」でお昼にするのが、一時期のわたしたち夫婦の定番コースの一つだった。ここのスパゲティは麺といい味付けといい、とびきりおいしい。
2019年09月18日
ワンコインランチ(その2)
前回、東京(といってもかなり局所的)のワンコインランチの店、安いランチの店について記した。会社勤めをやめ瀬戸内に移住してからは、ランチを外で食べるということが定休日を除いてはなくなった。毎日お昼が近づくと「今日のランチは何にしようかなー」と考えていたころが懐かしい。
それはともかく、ワンコインランチ、安いランチの店は探せばこちらにもある。定休日に岡山市、倉敷市に行ったときに見つけたそんな店を紹介しよう。
まず取り上げたいのは倉敷の「蔵びあ亭」。倉敷美観地区の大通りからちょっと脇にそれたところにある。夜はビアバーになるのだが(もちろんそれが本業だろう)、お昼にはランチを出している。それが、ぽっきりワンコイン(500円)なのだ(最近、さすがに500円プラス消費税になった)。メインにごはん、味噌汁、サラダ、香の物がついてである。メインは日替わりで、とんかつ、鶏ムニエルなどなどだが、わたしたちが行った日は豚ロース生姜焼きと鶏の唐揚げだった。わたしたちはそれを一つずつ注文した。どちらも、味、ボリュームともに文句なし。観光地とあって何かとお高い美観地区でこれには驚いた。脱帽だ。
安くておいしい店は、探せばほかにもあるだろう。これからも、ワンコインランチの店、リーズナブルなランチの店を見つけたい。そして、わが「カフェ明治屋」のランチが、ワンコインとはいかないが、安くておいしいと評価されるようがんばっていきたい。
2019年09月12日
ワンコインランチ(その1)
東京でのサラリーマン時代、わたしは昼食をワンコイン(500円)以内に抑えるようにしていた。もちろん、毎回500円以内というわけにはなかなかいかない。600円になったり700円になったりすることもあるが、逆に500円以下に収まることもある。平均して500円をあまり超えないようにしていた。
豊島区大塚の出版社に勤めていたころは、近くに「素人料理」を標榜する「いちのや」という店があった。夜は酒を出す店になるのだが、ランチタイムにも営業していて、そこのランチがまさにワンコイン(500円)だった。同僚と一緒に毎日のように通ったものだ。日替わりでいろいろな料理が出たが、みんなに人気のソースカツ丼がとくにうまかった。おかみさんの気さくな人柄もあって、店は盛況だった(いまは移転して、ベリーランチ108 ichinoyaとして曜日限定で営業している)。
神田神保町の会社に移ってからは、神保町・九段界隈でリーズナブルな店を渡り歩いた。週に1回、必ずといってもいいほど行ったのは神保町2丁目にある「ピアンタ」(現店名「東京イタリア酒場」)だ。ここの特製ペペロンチーノは普通盛りがなんと400円だった(いまは500円になっているらしい)。これにサイドメニューのシーザーサラダ100円をつけてぴったり500円だ。茹でたてアルデンテのパスタとサラダでワンコインはとってもお得である。
同じく毎週のように通ったのが、会社から靖国通りを挟んで向かいにあった「神田 天丼屋」である。カウンターだけの店で、天丼はエビ・イカ・キス・かぼちゃ・海苔が乗って600円(赤だしのうまい味噌汁付き)。これには頭が下がる。時として、店の外まで行列ができるわけだ。店主はてんぷらを揚げながら、店内で行列を作っている人たちに順番に「天丼でよろしいですか?」と訊いていく。ごはんは大盛りでも残さなければ追加料金なし。目の前で揚げてくれるてんぷらはあっつ熱でとてもおいしかった。
首都高・西神田乗り口のすぐ脇にある「ナンカレー」にも通った。私が行っていたころは、ランチのチキンカレー(ナンかライス、サラダ・ドリンク付き)が750円だった(わたしは何度でも使える割引券を持っていたので100円引き)。店員は全員インド(たぶん)の方々で、現地語が飛び交うが日本語も流暢だ。サラダにつづいて出てくる本格的なチキンカレーと熱々のナン、ラッシーの取り合わせは、ときどき無性に食べたくなるものだった。
九段下駅に近いラーメン「神保屋」にもよく行った。ここの「とんこつラーメン」680円がいけるのである。麺・スープもいいし、脂ののったトロっとしたチャーシューがまたうまい。ごはんはジャーから好きなだけよそっていいことになっていた。これに備え付けてあるごま塩を振ってとんこつスープと一緒に食べると格別だ。がっつりいきたいときにはベストな店だった。
忘れてならないのが専大前交差点すぐそばの「うどん酒場 せとうち」だ(現在は「饂飩酒場 ゑゝ壱 神保町」という店名になっている。店主が変わったのだろうか)。地下鉄神保町駅に降りる階段の踊り場に店の入り口があり、店内に入ると壁いっぱいに瀬戸内地方の大きな地図が描かれている。とてもおしゃれな内装だ。ぶっかけ580円、月見440円もいいが、わたしはここの「ミニ鶏天丼御膳」720円が好きだった。サクッと揚がった鶏天の小どんぶりとうどんのセットである。
わたしが神保町にいた5年余りの間にも、通っているうちに閉店になった店が何軒もある。やはりワンコインランチ、安いランチの店というのは薄利多売で大勢のお客さんを集めなければならず、経営的に難しいのだろうか。
2019年09月06日
カフェ・マルベリー
9日間の夏休み。最後の1日、2日は仕込みや開店準備という仕事があるが、7日間はゆっくり休める。この休み中、やりたかったことの筆頭は前回記したキャンプだが、もうひとつ、ぜひ、行きたいところがあった。「カフェ・マルベリー」である。
「カフェ・マルベリー」は、このブログでもこれまでに何回か取り上げた。ベーグルのおいしいカフェとして、わたしたちの好みのコーヒーを出す店として、ランチのおいしい店として。日生の頭島にあるこのカフェは、「カフェ明治屋」からクルマで30~40分。島は鹿久居島経由で2本の橋で日生の市街地とつながっているので、フェリーなどに乗ることなく直接クルマで行ける。
わたしが「カフェ・マルベリー」に惹かれる理由は何だろうか。ひとつには、「カフェ・マルベリー」と「カフェ明治屋」の定休日が重なっているので、年末年始か夏休みにしか行けないということもあるだろう。「カフェ・マルベリー」に行く、イコール長期の休みということだから、気分が悪いわけがない。「午後は仕込みだ」などと考えることなく、気持ちを緩めてゆっくりできる。
しかも、ここは「島」である。橋で陸続きになったとはいえ、一帯には「島時間」が流れている。今回の休み中、「カフェ・マルベリー」に行ったときには、開店までにすこし時間があったので店の周辺を散歩してみた。斜面を切り開いた土地に建つ古い家々、そのあいだを縫うように走る人一人がやっと通れる細い路地、ひなびた漁港の風景・・・。橋が開通しても、やはりここは「島」なのである。すべてが、「急いで生きて何になる? のんびりしていけや」と語りかけてくるように感じられた。
そして、繰り返しになるが、「カフェ・マルベリー」の魅力は何といっても、おいしい食べ物と飲み物である。今回、わたしたちはベーグルのランチをいただいたが、鶏ハムを挟んだベーグルが絶品だった。表面はパリッと、中はもっちりとし、鶏ハムの味もよく文句のつけようがない。さすがに神戸の人気店「メゾンムラタ」直伝というだけのことはある。サラダのきゅうりなどは自家栽培の有機野菜だそうだ。週に3日は店を閉めるが、その間も畑の手入れなどで大忙しの様子。「よくやるなー」と思ってしまう。
東京、神戸などから島に戻った姉妹ふたりが営むこの店は、「心のオアシス」という言葉がぴったりだ。