2020年11月

2020年11月26日

コロナショック(その14)

「新型コロナの感染拡大が止まらない」今回で14本目になる新型コロナに関するこのブログで、このフレーズを何回使っただろう。前回は、岡山県で1日の感染者数が30人を超えた日があったことを記したが、その後も1日の感染確認数は十数人から20人台にのぼる日が多い。中国・四国地方では広島県より多い日もあり、突出しているように見える。何といってもお隣の兵庫県やそのまたお隣の大阪府で連日のように過去最多の記録を更新している。以前ほどの往来はないとしても、その影響はあるだろう。 

コロナウイルス
新型コロナウイルスは、ほんとうにしぶとい。


足もとの岡山もそうだが、東京はより切迫した状況になってきた。
1119日には1日の感染者がついに500人を超えた。この勢いで800人、1,000人となっていくのか、そろそろ頭打ちとなってピークアウトしていくのか、誰にもわからない。北海道、とくに札幌の感染拡大もすごい勢いだ。テレビのニュースでは連日、東京や北海道の感染状況とそれへの行政の対応を報道するので、遠く離れた岡山でも人々への心理的影響は大きい。 

  

わたしはサラリーマン時代、おもに経済学の教科書や専門書、それに雑誌の編集に携わっていた。そのころのおぼろげな知識では、都市には集積のメリットとデメリットがある。デメリットのひとつは何といっても混雑である。たとえば、東京ではクルマで移動するとまず渋滞に遭う。それに比べて、岡山では渋滞はあまり経験しない。運転していて快適なのはもちろん、ムダがないのは渋滞の少ない地方に決まっている。渋滞の経済的損失は無視できない規模である。 

  

一方で、集積のメリットとしてよく挙げられるのがFace to face contact(対面しての接触)を取りやすいということだ。たしかに東京では、アポイントメントが取れていれば30分、1時間でいろいろなジャンルのさまざまな人に会うことができる。わたしが長年お世話になった出版業界が東京に集中している理由のひとつも、そこにあるのかもしれない。 

  

ところが、である。新型コロナウイルスは、その集積のメリットをデメリットに一変させてしまった。人と人とが顔を合わせ、親密に意思疎通を図るという行為そのものが感染の危険を生む。リモートワークがつづく人のなかには、いっそのこと地方へ移住しようかという向きもあるようだ。自然な流れだと思う。 

  

前にも書いたが、わたしたちは当然のことながら新型コロナとは関係なく移住を決めた。しかし、現在の状況を見ると、結果として東京を離れてよかったとつくづく思う。あとはただ、東京に残っている親類・友人知人のためにも、コロナ禍のもとで首都直下型地震などの災害が起こらないことを願うのみである。 



y1_tokita at 12:00|PermalinkComments(0)瀬戸内暮らし | カフェ

2020年11月20日

トースターのはなし

3年前、「カフェ明治屋」をオープンするにあたって、モーニングサービスで使うパンは「オぷスト」のものと決まった。では、トースターはどうするか。東京で使っていたトースターはありきたりなもので、だいぶ年季も入っていたので新調したい。どうせならトーストがとびきりおいしくできるトースターがいい。そこで白羽の矢を立てたのがバルミューダのザ・トースターである。 

バルミューダトースター
バルミューダのザ・トースター。


これは、これまでにないアイデアとデザインでユニークな製品を世に送り出している新参家電メーカーのバルミューダが開発したもので、トースターの場合、
5ccの水を使うことで一種の蒸し焼きにし、外はカリッと、中はフワッとしたトーストができるというものである。結構なお値段がするのだが、おいしいトーストを提供したい一心で、これを使うことにした。 

  

実際に使ってみると、これがなかなかよくできている。「カフェ明治屋」のモーニングトーストを食された方のなかには「パンがおいしいですね」と言ってくれる方も多い。もちろん、「オぷスト」のパンが抜群においしいからだが、バルミューダのトースターも一役買っているのは間違いない。 

  

しかし、このトースター、難点といってはかわいそうだが限界があって、パンが一度に2枚までしか焼けない。ふつうはそれで十分なのだが、お店の場合、3人連れ、4人連れでいらしてモーニングを注文なさる方がいる。そうすると、どうしても2回に分けてお出しするしかない。これを何とかできないか。そこで目をつけたのがアラジンのトースターである。 

アラジントースター
アラジンのグラファイトグリル&トースター。


アラジンといえば石油ストーブが有名だが、最近は優れた家電製品も出している。そのアラジンのトースターは、開店時に入れるトースターとしてバルミューダとともに候補に挙げていたもので、こちらは一度にトーストが
4枚焼ける。ただ大きいだけでなく、グラファイトというものを使って強火で表面をカリッと焼ける優れものでもある。 

  

このブログで前回書いたように、事情があってパンの仕入れ先を「オぷスト」から「パン工房 むくむく」に替えるにあたって、アラジンのトースターも導入してトースターを2台にした。これで数名様が一度にみえても、モーニングのトーストをそれほどお待たせせずに出せるようになった。 

  

それはいいのだが、難しいのはトースターの温度や時間などの設定である。バルミューダのトースターが約5分かかるのに対してアラジンのトースターは約3分で焼きあがる。しかし、温度設定やパンを置く位置に注意しないと端が焦げてしまう。いまだに試行錯誤中である。 



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2020年11月14日

「オぷスト」と「むくむく」

「カフェ明治屋」では開店以来、モーニングサービスのトーストのパンを同じ長船町内のパン屋オぷスト」から仕入れてきた。前に記したように、開店前に市内の「カフェユクリ」で食事をしたときにパンがとてもおいしかったので、どこから仕入れているのかを尋ねたのが「オぷスト」を知ったきっかけである。 

トーストモーニング
モーニングサービスはパンが命だ。


以来
3年、「オぷスト」のパンはお客さんに好評で、「このパンは自家製ですか?」「どこのパンですか?」と訊かれることも多かった。その「オぷスト」が、この秋、移転することになった。「カフェ明治屋」にとっては一大事である。 

  

「オぷスト」は、店は長船町だが、店主ご夫妻の自宅は牛窓にあり、これまでも週に1日は牛窓でも店頭販売していたようだ。ご店主は牛窓からクルマで30分かけて長船に通い、夜中からパンの仕込みをしてきたのだが、このほど、ご自宅の隣接地にパン工房兼ショップを新たに建てられた。ゆくゆくはここでカフェもやりたいそうだ。ちなみに、新築のパン工房の2階は奥さまが教えるヨガスタジオである。工房を移すだけでなく、パンの焼き方も変えて、今後は石窯で焼くそうである。ドイツ仕込みの石窯のパンがどんなものか、楽しみである。 

  

新工房でのスタートはめでたいことだし、ぜひ成功してほしいと思うが、問題は「カフェ明治屋」のパンの仕入れである。「カフェ明治屋」では「オぷスト」から週に1度、定休日にまとめて仕入れていたが、毎週、牛窓まで往復1時間をかけて通うのは時間的にも体力的にもむずかしい。 

  

長船町には「オぷスト」のほかにも、人気店「パン工房 むくむく」がある。「むくむく」は「カフェ明治屋」から歩いても行ける距離だ。「オぷスト」のパンとサヨナラするのはとても残念だが、仕入先を「むくむく」に切り替えることにした。 

  

その相談に「むくむく」に出向くと、「むくむく」の店長はとても親切に対応してくれた。これまで通りの天然酵母で、店頭には並ばない「カフェ明治屋」専用のパンを焼いてくれるという。サンプルを食べてみると、これまでの「オぷスト」のパンよりやや軽めである。お客さんによっては裏メニューの「ダブルトースト」を所望されるかもしれない。「パン工房 むくむく」のモーニングトーストをぜひお試しあれ。



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2020年11月08日

オープン3周年!

ことし(2020年)113日、「カフェ明治屋」は開店3周年を迎えることができた。これもひとえに来店してくださったみなさん、仕入れ業者さんはじめ関係者のみなさんのお陰と感謝、感謝である。 

  

年に250日ほど営業しているとして700日以上、1日の来客は少なく見積もって20人はいるだろうから、のべ15千人ほどに利用していただいたことになる。これは、瀬戸内市の人口の半分近くに相当する。 

3周年記念ボールペン
オープン3周年を記念して、当店のポイントカードを持参されたお客さん先着100名に特製ボールペンを進呈することにした。


この
3年、長くもあり短くもあった。3年前のオープンは遠い昔のような気がするし、その一方で、仕事に忙殺される日々はあっという間に過ぎていく。妻にオープン3年の感想を訊くと、「とにかく忙しかった。サラリーマン時代より格段に忙しい」だそうである。 

  

とにもかくにも、3年、店がつづいたということが、わたしたちにとっては奇跡だ。あるネット記事では、カフェを含む飲食店の廃業率は3割ほどだという。オープンから1年で、残るのは7割。単純計算では、2年後に残るのは7×749パーセント(約5割)だ。さらに敷衍すると、3年後には7×535パーセントということになる。3年存続率は3軒に1軒ほどでしかない。これはオーバーな数字であるとしても、実感として、よくぞ3年つづいたな、と思う。 

  

店をつづけていくうえでの困難はいろいろあったが、とくに大きかったのは、言うまでもなく新型コロナである。ことしはこれに振り回されつづけた(今でもそうだし、これからもそうだろう)。5月には売り上げが前年比で5割を大きく割り込み、危機的な状況だった。さいわい、その後、いくらかは持ち直したが、この先どうなるかはわからない。 

  

コロナの影響かどうかはわからないが、最近、客足の波の振れ方が以前より大きくなったような気がする。この客足の波というものが、飲食業未経験でこの世界に飛び込んだわたしたちにとって最大の驚きであり困惑の種だった。このブログで何度も繰り返しているが、ランチどき、早々に満席になってご新規さんを次々にお断りしなければならない日があるかと思うと、お昼をまわってもランチのお客さんがさっぱり見えないこともある。天気の良しあし、暑い寒い、曜日、何が影響しているのかいないのか、いまだにまったくわからない。 

  

3年たって、いまだに手探り状態だが、妻とわたしの2人で力を合わせ、なんとか5年、10年とつづくようにしていきたいと思う。売り上げも大事だが、体が資本だ。休むときは休むようにしよう。妻の願いは、「仕事のことを気に掛けずにゆっくり眠りたい」だそうである。 



y1_tokita at 07:44|PermalinkComments(2)カフェ 

2020年11月02日

コロナショック(その13)

新型コロナウイルスについてこのブログで前回、書いてから2カ月以上が経った。この間、岡山では新規感染者ゼロの日もあり、小康状態を保っているように見えたが、ここにきて急に感染者が増えている。 

コロナウイルス
新型コロナは想像以上にしぶとく手ごわい。


1029日には岡山での新規の感染者が31人にのぼった。もちろん、過去最多だ。前日の15人がこれまでの最高だったが、1日で倍増したことになる。  

  

東京や大阪の人たちからすると、30人程度の感染者は少ないとお思いだろうが、何といっても人口規模が違う。東京都の人口が23区だけで900万人超、岡山県の人口が約190万人だから、ざっと5倍の差がある。岡山で30人の感染者が出たということは、東京でいえば150人が感染したということとほぼ同じだ。かなりの数字ではなかろうか。しかも、まだ1人だが、県下では初めて新型コロナによる死者が出た。 

  

不幸中の幸いというべきか、感染者の大半は感染経路不明ではなく、ある事業所でのクラスターだということだが、これを抑え込めるかどうかはわからない。市中感染が広がるようなことになれば、またまた飲食店の営業自粛ということにもなりかねない。 

  

さて、「カフェ明治屋」である。まだ日によるが、一時期に比べれば客足はだいぶ戻ってきているように思う。ただ、何度も書いたが、常連だったお年寄りのなかにはお顔を見なくなった方もいる。まだまだ用心されているのだろう。また、小さいお子さん連れのお客さんもかなり減ったような気がする。マスクをしたり、人との距離を保ったりといった感染対策ができない幼児をつれて食事に行くのはまだ憚られるということか。 

  

そんな状況が、このところの岡山での感染者急増でどうなるか。心配の種は尽きない。いまはただ、岡山での感染拡大が一時的なもので、すぐに小康状態に戻ってくれることを祈るのみである。 



y1_tokita at 12:00|PermalinkComments(1)瀬戸内暮らし | カフェ