2018年03月19日

災い少なき国なれど(その2)

わたしは以前、オートキャンプの道具一式をクルマに積んだままにしていた。東京で関東大震災クラスの地震が起こった際に備えてのことだ。幸い、キャンプ以外でその道具が役立つことはなかったが、関東ではいつ大地震が起こってもおかしくなかったのである。さすがにコンパクトカーに乗り換えてからはキャンプ道具一式は大荷物すぎるし、燃費のことも考えてやめたが、いまもこの「野営装備」は倉庫にまとめてあり、いつでも使えるようにしてある。 

  

前回も書いた通り、岡山県は災害が少ない。昨年(2017年)から今年にかけては猛烈な寒波で日本海側を中心に大雪が降った。東京でも例年にない積雪で交通がマヒする事態になった。しかし、瀬戸内は「雪が積もらない」という条件でわたしたちが選んだだけあって、雪がちらつくことはあっても積もりはしなかった。 

  

今年(2018年)は、年明け早々、草津白根山が噴火してニュースになったが、岡山は火山災害とも無縁である。岡山から最も近い火山は島根県の三瓶山で、岡山市中心部までの距離は130キロある。しかも、三瓶山は火山としては活動が低いランクに分類されている(「岡山県の災害リスクまとめ」から)。 

  

前回、書いた通り、「カフェ明治屋」にとって脅威となるのは水害と土砂災害だ。わたしは「カフェ明治屋」の裏の干田川が氾濫しそうになったら、高台にある避難所(長船スポーツ公園)に向かうつもりだ。できたら「野営装備」一式をクルマに積み込んで。そうすれば、大雨のあいだはクルマの中で、雨が止んだらテント生活で何とかやり過ごせるだろう。 

正通寺の崖
斜面に施された崩落防止の工事跡。なんだか危機感をそそる。


問題は土砂崩れである。こればかりは対処のしようがない。昨年、正通寺の前の斜面に崩落防止の工事が行われた。安心材料のようで、それほど危険だったのかと思うとかえって不安にもなる。前にも書いたが、正通寺の本堂は元禄年間(
1688-1704)の建立だという。300年以上、持っていることになる。「カフェ明治屋」の家屋も明治42年(1909)の築だから今年で109年になる。その間、土砂崩れで倒壊することはなかったのだから、あと3040年、わたしたちが生きている間は持つよう祈るしかない。 

  

万が一、土砂崩れが起こったら、「カフェ明治屋」は土砂に埋まるか川に流されるかのどちらかだろう。そのとき、もし、わたしたちが生き残っていたら・・・。妻は、敷地の端にある倉庫に目をつけて、「なんだったら、ここで暮らせばいいよ」と言う。野生児と自称するだけあってワイルドである。 


y1_tokita at 08:32│Comments(1)瀬戸内暮らし 

この記事へのコメント

1. Posted by ラフィンのお父さん   2018年03月19日 11:56
5 野生児ですか?人類最強ですね。
私は、お二方を観ていてそう思います。それは、色んなことに知識があり、分からないことがあれば直ぐ調べる。時には分かるまで身をもって体験する。向学心の塊みたいな人たちです。からと言って息抜きを忘れない。素晴らしい生きざまをしていますね。
人類最強でも病気には勝てない場合がありますので、お身体ご自愛ください。

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