2018年05月02日

カフェをやってわかったこと(その1)

「カフェ明治屋」をオープンして6カ月がすぎた。同じことを前回書いたが、あっという間だった気もするし、まだ半年しか経っていないのかという気もする。とにかく、まったくの素人が始めた店なので、わからないことばかりだ。一方で、いやというほどわかったこともある。 

飾り棚
「カフェ明治屋」の風景―その2 飾り棚には売り主さんからのお盆などいただいた品々が並ぶ。


まず、飲食業がこれほど時間的・体力的にきつい仕事とは思わなかった。前にも書いたが(
カフェの時間割その1その2)、朝5時に起きて夜11時前後に寝るまで、食事休憩と風呂の時間以外は働いている気がする。感覚としては、115時間労働だ。実入りを考えると、最低賃金であっても雇われていたほうがお金にはなる。好きでなければ続けられない仕事ということだろう。 

  

仕事のひとつひとつはそれほどの「重労働」でも「頭を悩ます仕事」でもない。接客、配膳、飲み物製作、会計、食器のかたづけ、閉店後の掃除、おしぼり準備、お釜洗いとコメ研ぎ、翌日の黒板書き・・・。すべて、深く考えるより手足を動かす仕事だ。だが、やらなくてはならないことが多岐にわたり、ひとつひとつの仕事の量が多い。時間ばかりが過ぎていく。もちろん、調理を一手に引き受けている妻はもっと大変だ。 

  

以前は、たとえばラーメン屋さんで入店待ちをしていて、通されてみるとかたづいていないテーブルがいくつもあるのを目にすると、「なんだ。空いてるじゃないか」と思ったものだが、いまならわかる。マンパワーが足りないのだ。かたづける人手、食器を食洗器にまわす人手、席を用意して客を通したとしても注文を受けた品をつくる人手・・・。飲食業は労働集約型の業種である。その飲食業、しかも24席もある店をわたしと妻のふたりだけで切り盛りしようというのだから、大変なのは頭ではわかっていたが、実際にやってみると、そのきつさが体でわかった。 

  

もうひとつは、お客さんの「波」の振れ幅の大きさに驚いた。ランチどき、7つのテーブルが満席になり来店客をお断りしなければならない日もあれば、ランチを20食用意したのに2人しか来なかった日もある。モーニングサービスのお客さんがゼロの日もあれば、朝の910時から20人以上が来店して満席になった日もある。午後のお客さんがまったく来なかった日も多いが、次から次に来店して、自分のお昼(おにぎり)を食べる暇もなかった日もある。 

  

お客さんの数が漸増・漸減する、あるいは土・日に集中するというのならまだわかるが、ある木曜日には40人以上来店して「おしぼり」が足りないほどなのに、翌金曜日にはその半分も来ないといったことがたびたび起こる。土・日にお客さんが集中する週もあれば、平日ほども来ない週もある。今日、明日にどれほどのお客さんが来てくれるか、つねにまったく読めない、ということがわかった。 

  

このことは、親しくさせていただいているカフェの1年先輩である「べるま~ど」さんも同じだと言っていた。このカフェは年中無休で1年半以上営業しているが、いまだに来店客の動向はまったく読めないそうだ。 

  

この辺では、ランチは完全予約制という店も多い。「カフェ明治屋」では採用する予定はないが、これだけ波が大きいと、無駄を出さないためにはいい方法なのかもしれない。 



y1_tokita at 07:51│Comments(1)カフェ 

この記事へのコメント

1. Posted by ラフィンのお父さん   2018年05月02日 20:49
5 スーパーコンピューターで明日の天気を大体当てる時代でも、商売の明日を予想できないとおもいますよ。なにも分からない私が、生意気なことを言うようですが、カフェ明治屋丸は、その大変なこと、大波でも乗り越えて行ける夫婦船だと思います。がんば✊‼

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