2018年06月08日

金庫大事件

うかつだった。何らかの策を講じておくべきだった。何のことかというと、「カフェ明治屋」のシンボルである金庫のことである。前に「『開かずの金庫』事件」というタイトルの回に、金庫にいたずらをされて一時的に開かなくなったことを書いた。その後、またいたずらをされるかもしれないとは思ったけれど、開錠の番号はわかっていることだし大丈夫だろうと高をくくっていた。 

  

ところがである・・・。ある日、店じまいをした後で掃除をしているときに、金庫のハンドルがロックされていることに気づいた。「もしや」と思いながらハンドルを回してみると、回らない。ダイヤルを回して鍵をかけてあるのだ。前回同様、ダイヤルを1目盛りずつ左右に動かしてみる。今回はそれでも開錠しない。 

金庫のなか
特別公開(?)、金庫の3重の扉を全開にしたところ。


いやーな予感がした。しかし、開錠の番号はわかっている。そのメモを取り出して、その通りにダイヤルを回してみる。「イ 右に
3回」。ダイヤルをイロハ・・・のイに合わせ、右に3回転。「チ 左に3回」。チに合わせ、左に3回転・・・。回し終わって、ハンドルに手をかける。しかし、ロックが解除されない。もう一度やってみるが、ダメ。嫌な予感は的中した。わたしのやり方が悪いのか鍵が壊れているのかわからないが、とにかく開かない。 

  

この金庫には、前に書いた通り未就学児のお客さんに差し上げる「宝物」が入っている。その「宝物」が封印されてしまった。重厚な観音開きの扉を開けるときの子供たちの輝く目をもう見られない。人の一生よりも長く現役だった金庫が、ただの大きくて重い置物になってしまった。気が滅入るとはこのことだ。 

  

とにかく自分たちだけでは解決できないので、家の売り主さんに連絡を取ってみた。SOSメールで泣きついたわけである。すると親切なことに、金庫に詳しい人に連絡を取ってみるという返事が来た。そして数日後、売り主さんとそのご近所で金庫のことがわかる方がいっしょにわざわざ「カフェ明治屋」まで来てくださった。その方はダイヤルに潤滑剤をたっぷりとスプレーし、時間を置いてからダイヤルを慎重に回し始めた。「開いてくれ! 開いてくれ!」と心の中で叫ぶ。 

 
作業開始から小一時間、金庫は見事に開錠した!この金庫は錠前もまだ現役だったのだ。わたしも開錠の手順を教わり、自分で開けてみた。これで大丈夫。もう一度閉められても、開錠することができる。
 

  

しかし、訪れたカフェに据え付けてある金庫のハンドルを勝手にロックし、ダイヤルをぐるぐる回して鍵をかけてしまう人とはどんな人なのだろう。お客さんのなかに心当たりのある人はいない。しかし、だれかが鍵をかけたことは間違いない。もういい。詮索しても仕方がない。何度ロックされても、開錠した金庫の姿を見せることが「閉じ込めいたずら」に対する最大の予防策だ。これでまた子供たちの喜ぶ顔が見られる。 



y1_tokita at 09:41│Comments(1)カフェ 

この記事へのコメント

1. Posted by ラフィンのお父さん   2018年07月01日 17:13
5 開🔒したときの安堵感は何とも言えなかったのでは❔
マスターメモは正しいの?
金庫も油不足でしたか?
人間も同じですよね。
子供の笑顔がまた、見られますね。🎵😍🎵

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