瀬戸内暮らし

2018年04月16日

日生のカフェでまったり

「カフェ明治屋」がある瀬戸内市のお隣・備前市の日生(ひなせ)については、以前、「みっちゃん」のカキオコを紹介した際に触れた。日生は漁港のある小さな町で、「五味の市」という日生町漁協の市場に行ったことがあるが、殻付きの牡蠣を山と積んで売っていた。 

ステラカフェ
「Stella cafe」は入り口からしておしゃれだ。

そんな日生には最近、おしゃれなカフェ、おいしいカフェが増えている。わたしたちが日生のカフェでまず訪れたのは、隣の鮮魚店直営という異色の店「
café 晴風船」だ。日生漁港で水揚げされた魚を中心にした料理で「本日の煮付けランチ」や「海鮮月見丼」などを出している。わたしたちが行ったときには、お客さんは幅広い年齢層の女性がほとんどだった。舌の肥えた地元の主婦層をも唸らせる魚料理というわけだ。 

  

日生港から橋を2つ渡ると頭島という島に着く。ここに「カフェ・マルベリー」という店ができた。ここは火・水・木が定休日なので、休みがかぶるわたしたちはなかなか行けないが、「カフェ明治屋」の正月休み中、たまたまやっていたので行ってみた。昼には「季節のランチ」や「ベーグルランチ」を提供している。わたしたちはそれを1つずつとり、ふたりでシェアしたのだが、いつもは半分も食べない妻がベーグルを寄こしてくれない。「おいしい!」と言って4分の3を食べ、名残惜しそうにしぶしぶ渡してくれた。パンやベーグルをつくり売りもしている店だけあって、そのベーグルはしっとり、ふんわり、いい味を出していた。 

  

昨年(2017年)6月、「カフェ明治屋」より約半年前に日生にオープンしたおしゃれなカフェが「Stella café」だ。外観・内装ともにとても今風で女性受けしそうなカフェである。道向かいにある海鮮料理店の姉妹店だけあって、日生の牡蠣をはじめとする魚介類を使ったメニューをそろえている。わたしたちは週替わりランチ(ハヤシライス)と海老マヨネーズのランチをいただいた。どちらも付け合わせに殻付きの牡蠣が添えてあるのがこの店らしいところか。インスタ映えしそうなランチだった。 

  

漁港の町、牡蠣の町である日生は、ほんとうに海産物が豊富だ。「カフェ明治屋」からはクルマで3040分で行けるので、休みの日のランチをとりに出かけるのにちょうどいい。まだ行ったことのないカフェもたくさんあるので、これからも勉強がてら日生のカフェ巡りをしよう。 



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2018年04月04日

桜百景

このところ初夏のような陽気だ。つい一月ほど前まで「寒い!寒い!」と言っていたのが嘘のようだ。この地の桜も3月中に咲き始め、開花からたった3日で満開になってしまった。店を営業しながらも、「定休日まで散らずに持ってくれ」と祈るような気持ちだった。 

酒津公園の桜
「酒津公園」の桜のトンネル。春の日差しがまぶしい。


今までどれほどの桜を観てきただろうか。東京にいたころ、桜の時期になると週末には必ずといっていいくらい花見に出かけていた。東京で最後に住んだ花小金井は桜の名所「小金井公園」に近く、歩いて行けた。前にも書いたが、西武新宿線の田無駅から小平駅にかけて線路沿いに延びる遊歩道「グリーンロード」には桜の木が点在し、散歩がそのまま花見になった。以前、三鷹市に住んでいたときには「井の頭公園」が徒歩圏内だった。ここも桜の名所だ。池の水面に枝垂れかかった満開の桜が今でも脳裏に浮かぶ。
 

  

クルマでもよく花見に出かけた。関東で有名な桜の名所、埼玉・幸手市の「権現堂提」も鮮明に覚えている。ここは菜の花畑越しに桜並木が続いており、帯状の雲が地上に舞い降りたかのように見える。桜並木を歩けば、長い長い花のトンネルである。 

  

印象に残る桜はほかにもある。1月から咲き始める伊豆の「河津桜」。寒さに震えながらも、ピンクの花に春を先取りした気分だ。横浜で「山手西洋館」巡りをしたときに見つけた「山手公園」の桜。ひっそりと咲く姿が美しい。秩父の「美の山公園」の桜。周りの山々を背景に桜が際立つ。奥武蔵「鎌北湖」の桜。この鎌北湖の少し手前、道路沿いの民家の桜が立派で、思わず三脚を立てて写真を撮った。鎌倉も桜の名所が多いが、「浄明寺」の桜がとくに印象に残っている。 

  

そして今年、瀬戸内で初めて迎えた桜の季節に出向いたのは倉敷「酒津公園」。「カフェ明治屋」からクルマで約1時間、高梁川沿いにある「水と桜」をテーマにした公園だ。「権現堂提」を彷彿させる桜並木・花のトンネルがあり、着くなり「来てよかった!」と口走ってしまった。この世の憂さをひととき忘れて「春を迎えた幸せ」を満喫できる場所だった。 

  

わたし(と妻)の夢は桜前線を追って南から北へ日本を縦断する旅をすることだ。そんなことが実現できるのかどうかわからないが、まだ見ぬ桜に夢だけは膨らむ。 



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2018年03月31日

道の駅・海の駅

東京にいたころからドライブが好きだった。妻も出好きで、週末、ふたりとも一日を家で過ごしたことはほとんどないといっていい。クルマで遠出をしたときに寄りたくなるのが道の駅である。立地や建物がそれぞれ特徴的だし、その土地ならではの産物が置いてあって興味深い。 

  

印象に残っている道の駅といえば、毎年夏に行っていた戸隠キャンプ場への道沿いにある「道の駅しなの」である。上信越自動車道・信濃町インターを降りてすぐのところにある。キャンプのときには、ここで野菜を仕込んでキャンプ場へ向かったものだ。 

備前海の駅
「備前海の駅」。いつ行っても大勢の人でにぎわっている。


そう。道の駅の思い出は、そのとき向かった先の楽しみと結びついている。房総「道の駅ちくら・潮風王国」は冬から春先にかけて千倉の花畑へ写真を撮りに行った記憶の中にある。秩父の「道の駅ちちぶ」に寄るのは、いつも、行きつけだった宿がある柴原温泉への行き帰りだ。
 

  

岡山にもいい道の駅がある。蒜山の道の駅「風の家」は、昨年(2017年)夏に蒜山高原へキャンプに行った際に寄った。とてもきれいな道の駅だ。「カフェ明治屋」の近くでは、ブルーライン沿いに「道の駅 一本松展望園」がある。ここは瀬戸内海の島々が見渡せる絶景ポイントだ。 

  

この「一本松展望園」をさらに東へ進み、備前市に入ったところに道の駅ならぬ「備前海の駅」がある。「海の駅」といっても船で寄るところではない。海産物を取りそろえた市場だ。瀬戸内海産をはじめ魚介類の品ぞろえが豊富だし、ほかと比べてお安い。フードコートもあって、各種の海鮮丼や、いまの時期だとカキフライ定食なども食べさせてくれる。わたしたちもよく利用している。 

  

じつは、「カフェ明治屋」の定休日の一日、朝から日帰り温泉に行ったあと、この「海の駅」に寄るのがわたしたちの最近のお決まりのコースになっている。お店用の海産物の仕入れである。定休日明けの木曜日か金曜日の日替わりランチに魚料理が多いのは、そういうわけである。 



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2018年03月27日

写真の楽しみ(その2)

「ネガ(フイルム)は楽譜、プリントは演奏」写真家アンセル・アダムスの有名な言葉だ。撮影や現像は作品そのものを形づくるが、実際に作品に触れる人たちの心を動かすのは紙に焼き付けられたプリントというわけだ。暗室での引き延ばし作業こそ腕の見せ所ということだろう。 

  

もちろん、撮影や現像が重要なのは言うまでもない。構図・露出・ピントの三要素を押さえて意図したとおりにフイルムに記録する、現像液や撹拌方法に工夫を凝らしプリントしやすいネガを仕上げる、といった作業をおろそかにはできない。 

たづくり暗室
以前通っていた調布市営の貸し暗室。ここでの孤独な作業がたまらなくいい。


しかし、何といっても写真で一番重要で、かつ楽しいのは暗室での引き延ばし作業だ。試し焼きを繰り返し、覆い焼きや焼き込みで撮影意図どおりの作品を仕上げていく。ハイライトからシャドウまできれいなトーンが出たときの満足感は何物にも代えがたい。
 

  

というようなことを書くと、「なんと時代遅れな」と思う人もいるだろう。いまは写真といえばデジタルで、フイルム以上の解像度を出すこともできるし、何といっても撮ったその場で確認できるから早いし間違いがない。スマホで撮れば自動的にクラウドにアップされてほかの端末からもアクセスできる。便利この上ない。しかし、便利なことと趣味として魅力的なこととは別の話だ。 

  

Photographとは、もともと「光画」という意味だという。わたしにとっても写真とは、光で絵を描くことだ。それにはやはり体を使い(覆い焼きや焼き込みには手や腕も使う)、物質的な作業(現像・停止・定着液を通すなど)を伴いたい。暗室作業をおこなっていると体で作品をつくっているという実感がある。 

  

写真はすべて過去のものである。未来を写すことはできない。写真は撮った次の瞬間から思い出の写し絵となる。だから、すべての写真は「懐かしい」ものである。「懐かしい一枚」にふさわしいのは、モニターの画面ではなくて、押し入れや本棚の奥にしまってある古い写真ファイルだ。そこに入っているべきは、プリンターで出力したものではなくて手焼きの銀塩写真だろう。 

  

いずれまたフイルムで写真を撮りたい。わたしにとっての「懐かしい一枚」を増やすために。 



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2018年03月23日

写真の楽しみ(その1)

「フイルムで写真を撮られるんですか?」思わず訊いてしまった。その女性のテーブルの上には、フイルム式の一眼レフカメラ(ニコンFM2)が置かれていた。その人は、モノクロフイルムで撮っていること、写真の講座に通っていることなどを話してくれた。 

卒業展案内
「卒業制作展」の案内ハガキ。


じつは、わたしもフイルム写真派だった。「だった」というのは、いまはフイルムで写真を撮る時間も暗室設備もないので、もっぱらスマホかデジカメになったからである。以前は月に
12度は暗室にこもって写真三昧を楽しんでいた。

  

写真を始めたのは30年以上前だが、社会人になってからなので遅いほうだ。わたしは最初の職場で新聞記者の(まねごとのような)仕事をしていた。取材して記事を書くのだが、カメラマン同行などという贅沢は許されない。写真も記者が撮る。ところが、わたしはそれまでカメラというものにほとんどまったく触れたことがなかった。当時、編集部にあったのはごつい一眼レフカメラ(ニコマート)である。レンズは標準(50ミリ)1本のみ。新聞だからフイルムはもちろんモノクロである。わたしは先輩社員にフイルムの入れ方から教わった。 

  

この一眼レフカメラで50ミリレンズのみ、モノクロフイルムで撮るというのは、いまでも写真学校で最初にやっていることだと聞く。わたしは社会人生活を「写真学校」で始めたともいえるのである。そうすると、すぐに自分のカメラがほしくなり、一眼レフカメラを買って仕事に使うようになった。仕事だけでは飽き足らず、そのうち写真を趣味にするようになる。 

  

今でも覚えている。カメラを買って間もない休みの日、郊外の山に写真を撮りに行った。ところが、どこをどう切り取っていいのかわからない。霊園を見つけペットの墓地など面白そうなものを撮って帰ったが、できあがった写真を見てがっかりした。少しも面白くないのである。「見たままに写す」「そのとき感じたことを写真で伝える」ことの難しさを痛感した。 

  

仕事の面では写真は役に立った。職種は記者から書籍・雑誌の編集者に変わったが、インタビューや座談会などの記事ではポートレートが必要だ。わたしは愛用の一眼レフ(Canon New F1)だけでなく、コンパクトカメラ(Contax TVS)も駆使して紙面を飾る写真を撮り続けた。 

  

失敗も多い。あるとき、インタビューの取材から帰って、すぐに次の取材に行かなくてはならなかった。慌ててフイルムを交換する。それはいいのだが、フイルムを巻き戻すのをうっかりしてしまった。カメラの裏蓋を開けると、そこには撮ったばかりのフイルムがむき出しになっている。すぐに閉めたが、もう遅い。撮った写真はすべてパーである。どうするか。23日後、インタビューした相手に電話して、「写真はよく撮れていたんですが、ネクタイが曲がっていまして。お手持ちの写真を1枚貸していただけませんか?」と頼んだ。噓も方便。何とか事なきを得た。 

  

ずいぶん後になってからだが、現像や引き延ばしもやってみたくなり、個人レッスンを受けたり写真教室の入門講座に通ったりもした。クラスで撮影会に行ったりするのは楽しかった。ただ、入門で終わったので「卒業展」のようなものはなかった。 

  

冒頭の女性は2度目の来店の際、「写真講座の卒業展があるので、案内のハガキをお店に置いてもらえませんか」と言ってきた。もちろんOKである。そして、わたしと妻も定休日を利用してその展示会に行ってみた。写真を撮る楽しさが伝わってくる作品だった。久しぶりに、フイルムカメラで写真を撮りたくなった。 

  

【ご案内】 

クラシックカメラで撮るモノクロ写真の愉しみ方講座 

2017年度講座生 卒業制作展 

  

2018.3.20(火)~25(日) 11:0019:00 

岡山市北区丸の内1-1-15 

岡山禁酒会館1F 

TEL.086-227-2237 

 



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